ダフニスとクロエ
Ballet - Daphnis et Chloé
「『ダフニス』は,私たちを魅了し,どのような楽派にも組み入れることの できない作品の一つであり,私たちにとって永遠に理解し難い法則や神秘が 支配する遙かな惑星から,隕石のように私たちの心に落ちて来るのだ」。
− ジャン・コクトー −
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作曲・出版年 | ■作曲(ピアノ独奏版):1909年9月〜1910年5月1日 ■作曲(管弦楽版):〜1912年4月5日 ■出版:1910年(ピアノ独奏版,デュラン社) ■出版:1912年(管弦楽版,デュラン社) ※管弦楽版から2種類の組曲版が作られている。今日では後者の演奏機会が圧倒的に多い。 1)第1組曲:「夜想曲」,「間奏曲」,「戦いの踊り」(1911年,デュラン社) 2)第2組曲:「夜明け」,「無言劇」,「全員の踊り」(1913年,デュラン社) | ||||||||
登場人物 | ダフニス(美しい羊飼) クロエ(美しい羊飼の娘) ドルコン(醜い牛飼) リュセイオン(太った年増女) ラモン(年老いた羊飼) グリヤクシ(海賊の首領) 3人の妖精 その他大勢 |
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編成 | フルート,ピッコロ,アルト・フルート(ト調),オーボエ2,コール・アングレ,クラリネット(変ロ調),小クラリネット2(うち1は舞台上。1は変ホ調),バス・クラリネット(変ロ調),ホルン5(ヘ調。舞台裏に1),トランペット5(ハ調。舞台裏に1),テューバ,トロンボーン3,バスーン3,ティンパニ,小太鼓,中太鼓,大太鼓,タンバリン,銅鑼,トライアングル,カスタネット,シンバル,風音器,チェレスタ,木琴,グロッケンシュピール(鉄琴),ハープ2,弦5部,混声4部合唱 | ||||||||
粗筋 | ■第一場 聖なる森のすそ野 (開幕:花籠を持った男女の入場)ある春の午後。レスボス島へ精霊の供養をするために集まった男女。ニンフの祭壇へ祈りを捧げて花を飾り,踊る。 (ダフニスとクロエ入場)美声年ダフニスの踊りに心奪われる娘たち。クロエは初めて嫉妬にも似た感情を覚える。やがて全員による優雅な踊りへ。 そこへドルコンが入場。クロエへ向けて求愛の踊り。ダフニスはこれを見て,クロエの側へ。やがて,ドルコンは思い切ってクロエを抱擁しようとし,戯れと解したクロエも応じようとする。ダフニスは怒り,ドルコンを押しのけて,クロエの側へと優しく寄る。ダフニスとドルコンは,クロエの接吻を賭け,踊りで雌雄を決することにする。 先ずドルコンが【グロテスクな踊り】を披露するが,失笑のうちに中途半端な幕切れとなり,続いて【ダフニスの踊り】。言うまでもなく一同はダフニスの勝利を認め,ダフニスとクロエは抱擁を交わす。一同退場の後,ひとりダフニスはその余韻に陶然となる。 リュセイオンが入場。後ろからダフニスに目隠しをし,クロエと錯覚するダフニスをからかって去る。ひとりダフニスは心をかき乱されたまま取り残された。 どこからともなく甲冑のふれ合う慌ただしい音。海賊が村へと迫る。クロエを案じ,ダフニスは掛け去る。入れ違いに現れたクロエ。隠れ場所を探して慌てるうち海賊に見つかったクロエは,彼らにさらわれてしまう。クロエを捜すダフニスは残された履き物で事態を悟り,彼女を守りきれなかった己の無力さを嘆き,気を失って地面へ倒れ伏す・・(場内暗転−第一組曲) (夜想曲:一条の光が射し込み,辺りを微かに照らし出す)ニンフたちの像に光が差すと,ニンフたちは台座から次々に動きだし,神秘的に踊る。倒れ伏したままのダフニス。頬に残る涙を拭うニンフ。ニンフたちはダフニスを意識を取り戻すべく,岩場へ向かい,パンの神に助けを求める。岩から現れたパンの神にダフニスはクロエの無事と帰還を願ってひれ伏す。 ■第二場 海賊グリヤクシの野営地 (夜のとばりが降りる中,遠くから勝利を祝う合唱の声。戦利品を持った海賊が周囲を忙しく行き交う。荒々しい戦勝の踊り−第一組曲終了) 捕虜を連れてくるよう命じる首領。縛られた姿のクロエが入場。首領は何か一曲踊れと命じる。哀願の踊りを始めるクロエ。隙をみて逃げだそうとするが連れ戻されてしまう。首領はクロエを手に掛けようとし,連れ去ろうとする。 俄かに周囲が騒がしくなる。突然現れた無数の牝山羊たち。慌てる海賊たちの前に,地面を割ってパンの神が現れ,海賊へとのしかかる。海賊たちは色を失って逃亡。 ■第三場 聖なる森のすそ野 (第二組曲〜夜明け:空が少しずつ白みはじめる)ニンフの洞窟の前で眠るダフニス。ダフニスとクロエの行方を心配した羊飼いたちが探しにやってきて,ダフニスを揺り起こす。再びクロエを案じて探し回るダフニス。そこへ,別の羊飼いたちに守られたクロエ入場。かたく抱擁する二人。ダフニスはクロエの冠をみて,彼女が無事に戻ったのはパンの神のご加護であることを悟るのだった。 (無言劇)年老いた羊飼いのラモンが,クロエを救ったのがパンの神であること,そして,パンの神がかつて恋したニンフのシランクスのために力を貸してくれたことを二人に教える。それを聴いた二人は,パンの神とシランクスに扮し,二人の愛を讃えての【無言劇】。パンの神に扮したダフニスが,恋に破れて葦笛を吹くと,クロエ扮するシランクスは再び現れ,笛に合わせて踊り,やがてかたく抱擁するのだった。 (全員の踊り)ニンフの祭壇の前で抱擁を交わすダフニスとクロエ。やがて若者たちが入場し,一同は踊り始める。優雅に舞う二人を一同祝福して【全員の踊り】となる中,終幕となる。 |
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演奏時間 | 約55分 | ||||||||
初演 | ■組曲版 ガブリエル・ピエルネ(指揮)コロンヌ管弦楽団,1911年4月2日,於コンセール・コロンヌ演奏会(「第1組曲」のみ)。 ■バレエ版 ヴァスラフ・ニジンスキー(ダフニス),タマラ・カルサヴィナ(クロエ),フローマン(リュセイオン),アドリフ・ボリム(ドルコン),ミハイル・フォーキン(振付),レオン・バクスト(美術・衣装),ピエール・モントゥー(指揮),1912年6月8日,於パリ・シャトレ座。 | ||||||||
推薦盤 |
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(Update date unknown / Revised: 2005. 2. 20. USW)
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