暗愚楽月報
The Underground Disc Review
第68号

帰省ラッシュを後目に気勢
上げて突入CD屋
寄生してますCDに
規制しないでお小遣い

Editer's Note

今月の金賞(D'OR)


★★★★★
Aarre Merikanto "Piano Concerto No.2 / Piano Concerto No.3 / Two Studies for Small Orchestra / Two Pieces for Orchestra" (Ondine : ODE 915-2)
Tuomas Ollila (cond) Matti Raekallio (p) Tampere Philharmonic Orchestra
名前は仄聞していたものの,聴かずに過ごしてきたメリカントは,1893年生まれのフィンランド人。往時はシベリウスより人気のあった作曲家オスカルを父に持ち,その厚い庇護を受けたお陰で,のち進歩的に過ぎるとして楽壇から叩かれても,作曲家人生を全うできました。故国の音大を中退してライプツィヒへ留学。レーガーに惚れ込んだ彼は,その後モスクワへ。彼の地でスクリャービンに出合ってさあ大変。ライティオと仲良く故国の前衛野郎としてつまはじきになり,やがてロマン派への回帰を余儀なくされることになりました。本盤はそんな彼の管弦楽を集めた作品集。ライティオ録音でも気を吐いたオッリラとタンペレ菅のコンビで演奏も保証付きです。主にロマン派回帰後の作品が並び,退屈じゃないかとの不安は一聴するや忽ち解消。一口にいえば,シュミットの呪術性と後期ミヨーの色合いを隠し味に加えた五人組です。同じく野趣を含んだモーランやアイアランドにも通じる野蛮なパワーとごってり和声に快哉。英仏近代として聴いても全く違和感がないほど色合い豊か。本家ほど手数自慢ではないものの,ピアノはチャイコやラフマニノフの壮麗さも兼ね備えている。これだけ重厚な天守閣をおっ建てながら大仰に響かないのは,ロマン派的な枠組みに立脚した拍節構造がしっかりしていることの証左でしょう。非常に健筆です。参りました。甲種推薦。






Recommends


Francis Poulenc "Sonate pour Clarinette et Piano / Sonate pour Flûte et Piano / Sonate pour Violon et Piano / Sonate pour Violoncelle et Piano / Sonate pour Haubois et Piano" (Saphir : LVC 001040)
Régis Pasquier (vln) Roland Pidoux (vc) Michel Moraguès (fl) Eli Eban (cl) François Meyer (ob) Émile Naoumoff (p)
もう良いだけ巷に録音のあるプーランク室内楽。元まる子傭兵の分際でメイエと絡むなんて傍痛いナウモフに,ラヴェルの室内楽選で醜態を晒したパスキエのヴァイオリン。おまけにクラには聞いたことない中東風のお名前が。これだけ購買意欲なんぞ全く起こらない本盤。薦められるまま一聴して唖然呆然,実に素晴らしい。何が良いといって,まずどの演奏も読み込みが丁寧。本盤を聴くまでは最良だったロジェやルサージュ盤の場合,録音に難があったり,やや個人技披露の欲目が出たりしていたものですが,本盤はどなたも決して無理をせず音楽性を最優先。適度にテンポを落とし,落ちた分を襟足や手足先へ。所作の配慮へと回すことにより,遅めのテンポとやや情感過多ですらあるテンポ・強弱を,充分な含みをもたせつつ歌いきります。ラヴェルの録音では酩酊していたとしか思えないパスキエは,あのドビュッシー・ソナタを彷彿させる力演で面目躍如。ラヴェルの時とは別人の如く生気に富んでいますし,初耳の米国人エバンはごく僅か音符の摩滅こそあるものの,どこかジャズクラを思わせるとぼけた味わいで好演。フルートは少し濁るも軽やか。振幅を深く取りつつ,適度に抑制の利いたチェロも上手い。ちょっと青臭いところのあったメイエの録音は白眉で,過去の録音のいずれも凌駕する。こんなところに,こんな穴盤が隠れていたとは。甲種推薦。★★★★★
"Concertino (Chaminade) Fantaisie (Hüe) Cantabile et Presto (Enesco) Nocturne et Allegro Scherzando (Gaubert) Joueurs de Flûte (Roussel) Le Merle Noir (Messiaen) Syrinx (Debussy) Danse de la Chèvre (Honegger) Pièce (Ibert)" (Claves : CD 50-704)
Peter-Lukas Graf (fl) Michio Kobayashi (p)
ひと頃,クラベスから仏近代ものをちょこちょことリリースしてくれていたペーター=ルーカス・グラフさんは,1953年にミュンヘン国際で優勝した名匠。スイス人ながら,マルセル・モイーズの弟子だったこともあり,時折フランスものへ向ける暖かい視線と,仏人にはない凛とした高尚な情感表現が素敵なおじさまです。本盤は1973年に録音されたもので,のち1989年にCD化された彼の珍しいオール仏もの企画盤。少ない仏ものの録音機会,それも1970年代という時代に,ここまでマニアが喜びそうなツボを突いていたとは。それだけで5つ星を謹呈しなけりゃ罪作りっっちゅうもんです。果たせるかな,中身は美品と美演のオンパレード。『小協奏曲』はシャミナードの曲では一番モダンですし,私も一度でいいから聴きたいと探していたジョルジュ・ユーはマニア泣かせで,中身も思った通りの穏健なドビュッシズムの佳曲。白眉は,室内楽になると途端にモダンかつ洒落っ気満載になるルーセルの標題曲。ドビュッシーとメシアンの垂直二等分線に屹立したその曲想には,溜息しか出ませんでした。欲を言えば,グラフの音色が少しフランスものには重い気がしないでもない点と,ピアノ伴奏の小林さんがごく時たま,細かいアルペジオで技量不足を露呈する瞬間がある点ですが,気になるほどのものでもありません。きちんと襟の整ったグラフの情感表現はここでも品格豊か。このグレードの演奏で録ってもらえるなんて。マイナー作家もきっと草葉の陰から手を合わせていたことでありましょう。★★★★★
"L'Arbre des Songes (Dutilleux) Concerto for Violin and Orchestra (P.M.Davies)" (CBS : 30DC5030)
Isaac Stern (vln) Lorin Maazel, Andre Previn (cond) Orchestre National de France : Royal Philharmonic Orchestra
1920年生まれということは,1985年から翌年に掛けて本盤を吹き込んだ頃,スターンはすでに60代半ばの計算。信じがたいです。蓋しデュティーユの最高傑作『夢の樹』は,仏国営放送がスターンを想定しデュティーユに委嘱した作品で,初演は1985年11月5日。その翌日,同じマゼールと仏国営放送菅によって吹き込まれたのが本盤で,世界初演者による世界初録音という記念碑的一枚なわけです。小澤とばっか吹き込みを重ね,たった1曲で標準価格を取る殿様商売に辟易な最近のデュティーユも,この当時は良心的でしたねえ。カップリングのマクスウェル・デイヴィスも,翌年6月の初演直後,初演者たちによって吹き込まれたもので,やはり被献呈者はスターンでした。現代に生きる大作曲家二名が揃って献呈するのも頷けるほど,古老のヴァイオリンは良く鳴っている。少し毛羽立ってこそいるものの,ぐいぐいと心を鷲掴みにする力感と高い音圧,何よりも譜読みの説得力が段違い。流線型の洒脱なフォルムで,涼しげに弾き抜けていくシャルリエとは,ある意味において対極に位置します。拍節構造を丁寧に読み取り,さらりと流さず,前後の文脈とともに丁寧に描出して説得力を生みだしていく。マゼールも含めて,入念なリハーサルをおこなったのでしょう。確かに天下のBBC響に比べると,ごく僅か肌理は粗いものの,仏国立菅の伴奏も大変に良質。初演者による吹き込みという点も考慮すれば,録音史に燦然と輝く一枚と言って良いのでは。第二楽章冒頭のバグパイプを模した通奏低音に趣を感じる初耳のデイヴィスは,雅楽をヒントに低体温高流動路線を進んだデュティーユに比べ,ウィーン楽派の香りが強いものの瞑想的。充分に聴けます。★★★★★
"Trio en La Mineur (Ropartz) Trio (Rhené-Baton)" (Atma : ACD2 2542)
Trio Hochelaga: Anne Robert (vln) Paul Marleyn (vc) Stéphane Lemelin (p)
唯一,目にできたのは,随分前にマゲローヌから出たボーフォール歌唱の歌曲集ただ一枚。本業が指揮者なせいで,不当に過小評価されているとしか思えないルネ=バトン。そんな彼のピアノ三重奏曲を,ケベックの辺境漁り大好き男ステファヌ・ルムランと,その一味が録音しました。同じポスト・ロマンティストで,モード使い。おまけに同じ三重奏。しかし,ロマン派の構成を守りつつ主題のブリッジにドビュッシスト的なモードを差し挟むロパルツの,ある意味保守的で型どおりな旋法あしらいに対し,およそ10年後に書かれたルネ=バトンのそれは,一歩も二歩もモダン。旋法使いとしての筆運びは,数段こなれている。決して録音は多くなく,むしろ僅少といって良いルネ=バトンですが,僅かに聴ける彼の室内楽はどれも健筆。指揮者兼業の作家の中でも,恐らく作曲家としての才能はピカイチなのでは。ピエルネ程度には再評価されて然るべきだと思えてなりません。これを機に再評価が進むと良いですねえ・・。ワケアリな二名が気になる演奏も,意外なほど良好。ヴァイオリンのロベール女史は,以前ヴィエルヌのソナタを録音していたあのお人。その際も少し揺らぎが気になったピッチは,良く良く聴くと変わっていなかったりするのですが,毛利元就の家訓は伊達じゃない。三人寄れば何とやら。ソロでも一応は看板を出せるレベルの面々が揃えば,充分合格水準の合奏になるものです。この三人は他にテオドール・デュボワの室内楽曲集も二枚出しており,片方はルモンド誌上で最高賞(CHOC)を貰ってる模様。いっそ,こっちをメインにしたほうがいいかも?★★★★☆
"Viola Concerto in C Minor (Bowen) Viola Concerto in G Minor (Forsyth)" (Hyperion : CDA67546)
Martyn Brabbins (cond) Lawrence Power (vla) BBC Scottish Symphony Orchestra
ヴァイオリンとチェロの中間管理職として,今ひとつ日の当たらない可哀相な楽器ヴィオラ。各々の事情でこの楽器に焦点を当てた兼業作曲家二名を併録する酔狂なCDが本盤です。良いときは野趣溢れるプーランクさながらの筆致を展開するボーエンは,英国近代のヴィオラ界を牽引したテルティスの伴奏者。そんな事情も手伝って,1906年にヴィオラ協奏曲を書きました。初期作品でもあり,基本ブラームス臭漂う後期ロマン派のこの作品,後年ほどキャラは立っていないかも知れませんけれど,リズミカルな第三楽章には,後ろの管弦楽譜の一部にドビュッシーの影も。本国でも数年前にやっと認知されたばかりのドビュッシーを早くも咀嚼して,自分のスタイルを築こうとする進取の気性に頬緩みます。併録のフォーサイスは,恐らく『管弦楽配置法』の著者として以外に光が当たった事なんてまずないであろう,英国出身の米移民。元クイーンズホール管のヴィオラ奏者だった彼は,1914年の渡米後も出版社に勤務しつつ,自らの愛する楽器のために,幾つか本格的な作品を残しました。彼のヴィオラ協奏曲は,ヴィオラのために書かれた,英国近代初のまともなコンチェルトなんだそうな。冒頭,カデンツァに続いてブラムスさながら古色蒼然の第一主題にはゲンナリしますが,そこでCDを停めては勿体ない。脂汗を滲ませつつ1分我慢をするとあら不思議,3分を過ぎる頃から近代の香りが立ちはじめ,師匠のスタンフォードとバックスの中間くらいには近代化。以降は,ブラームスの頑迷さと,英国の田舎情緒の間を行きつ戻りつしながら進みます。胸を張って近代というには古めかしい。それでも,1903年のイギリスという背景を考えればモダンなのでは。演奏はイギリスで一番安定感がある(と個人的には思っている)ブラヴィンスとBBCスコットランド響。プリムローズ国際の覇者ローレンス・パワーのチェロともども,演奏はピカイチに宜しいと思います。★★★★
Morten Lauridsen "Lux Aeterna / Les Chansons des Roses / Ave Maria / Mid-Winter Songs / O Magnum Mysterium" (Ruberdo Canis Musica : RCM 19705)
Paul Salamunovich (cond) Morten Lauridsen (p) Los Angeles Master Chorale and Sinfonia Orchestra
この人は知りませんでした。ワシントン州生まれでオレゴン育ちの米国人作曲家モーテン・ローリドセンは,お名前からもお察しいただけるとおり,デンマーク人の血をひく御仁。南カリフォルニア大学を出た後は,ほぼ一貫してロサンゼルスを拠点に活動。出身校で教鞭を執る傍ら,本盤でも歌っているロサンゼルス・マスター・コーラスと長く蜜月関係を保ちながら,合唱曲に特化して作品を書いてきました。日本での知名度は皆無に近い彼も,本国ではそこそこ知名度があるらしく,2007年には全米芸術メダルを受賞。ブッシュ大統領からじきじきに叙勲の栄を得たようですねえ。筆致は非常に穏健。ひとくちに言えば,英国人でありながらアメリカで人気なジョン・ラッターに対する,アメリカ側からの回答といったところですか。やや感傷に流れ,クラシックもどきな皮相性もあるのはいかにもアメリカ育ち。純音楽というよりは準音楽的な筆致で,聴きようによってはややアマチュア的かも知れない。しかし,凝った和声とメロディアスな曲想でそれを穴埋め。PTA好きのする穏健な叙情を振りまくさまはラッターと良く似ており,あの手の通俗的な道徳性をたたえた合唱曲がお好みであれば,充分興じ入って聴いていただけることでしょう。細部にアーティキュレーションの不揃い感があり,少し声質に向上の余地はあるものの,合唱団はまずまず高品位。オケもロンドン市立響を思わせる豊かな情感表現で,さすが作曲者のお気に入りだけあるなと頬緩みます。★★★★
"Sonate No.1 (Saint-Saëns) Sonate (Debussy) Sonate (Franck)" (Arte Nova : 74321 59233 2)
Mirijam Contzen (vln) Valéry Rogatchev (p)
実売価格がナクソスよりも安いアルテ・ノヴァ。しかし,ときに意外な秀演が隠れており侮れません。1976年ミュンスター生まれのドイツ娘コンツェンが,ルーマニア出身にして1990年のブレンデル国際覇者ロガチェフと組んで,1998年に吹き込んだこの仏近代ソナタ集は,まさにレーベルの矜持を示す一枚といえましょう。何しろ録音当時,まだ20代半ばの小娘。体の内から滲み出るが如き歌心など,望むべくもありません。ないものは作るしかない彼女は,遅めのテンポを取り,効果を計算しつつ大きく慎重に揺すり,情感という名のトーチカを構築。それでも高雅なフランクでは若さを露呈し,青臭く作為的な曲解釈で原曲の高雅なたたずまいを殺してしまいます。しかし,力感たっぷりのデュナーミクは素晴らしく,ピッチも正確。音色も良く,1993年のヴァルガ国際で優勝した実力を充分に伺わせる。かなり大仰なのを除けば,揺すり方自体に無理や破綻はなく,充分うるさがたを愉しませる水準には達しているのではないでしょうか。こちらも揺らしまくるドビュッシーでは,原曲の即興性が適度に噛み合って見事な見せ場を作っている。この水準を数百円で聴けると考えれば,文句なしにバーゲン品でしょう。安けりゃ何をやっても許されるのかと毒づきたくなる巷の廉価盤は爪の垢を煎じて飲んで欲しいもんです。それだけに残念なのは,廉価盤だから仕方ないとはいえ酷すぎるジャケット・デザイン。ロガチェフさんと主人公とが,構図の上でも大きさの面でも,まるっきりバランスを欠いている。かくも奇妙な構図にしなきゃいけない理由は何だったのか,正直言って良く分かりません(笑)。★★★★
Gustav Holst "The Planets, op.32 / St.Paul's Suite op.29-2" (First Music : RPC-106)
Vernon Handley (cond) Royal Philharmonic Orchestra : Ambrosian Chorus
ヴァーノン・ハンドレーといえば,かのエイドリアン・ボールトのお弟子さんにして,バントックの連続録音やバックス全集,モーランの素晴らしい管弦楽作品集などを録音した,近代フェチにとってはカラヤンよりも偉大なお方。彼の評価を一躍高めたバックス贔屓は,1962年にギルドホール菅の音楽監督になった頃からでしたから,そこらの指揮者とは年季が違います。マイナーに優しいうえこの人は打率も滅法高い。個人的にイギリス界隈でなら,恐らくブラビンスとこの人が,最も安心して身銭を切ることのできる指揮者じゃあないでしょうか。この惑星は1993年,彼がヴォーン=ウィリアムスの連続録音に邁進していた当時,ぽっかりと吹き込んだもの。師匠が初演を務め,六度も録音したお家芸,ひとかたならぬ心構えで臨んだことでしょう。スタイル的には全体に直線的というのか,素直な曲解釈が印象的。きびきびと滑舌良くリズムを刻みつつ,気っ風良く走る。これだけなら粗っぽい演奏になってしまうところ,リフの締めにきちんと所作を整え,荒い仕立てのフチを綺麗にかがりながら進むので,聴後感は驚くほどに良好です。おまけに,駅売り御用達のロイヤル・フィル・シリーズですから,500円も出せば買えてしまう。オケもまずまず優秀で願ったり叶ったり。もう少し含蓄があっても良いのではないかとは思いますけれど,それはそれ。しなを作り,タメを充分にとり,理知的に整えられたデュトワ型の惑星が鼻につく爆演志向の方で,なおかつバカまっしぐらに陥ることなくバランスの取れた録音を望む方には,これなんかお薦め度が高いんじゃないでしょうか。★★★★
Mario Castelnuovo-Tedesco "Concerto for Two Guitars and Orchestra, op.201 / Concerto No.1, op.99 / Concerto No.2, op.160" (Brilliant : 7615)
Michael Summers (cond) Lorenzo Micheli, Massiomo Felici (g) Orchestra Sinfonica Abruzzese
初期にはラヴェル彷彿の佳品を書き,鋭く光る才気の片鱗を見せながら,後年になると良くも悪くもフツーになり,だんだん積極的な美点を見いだすことが難しくなってしまうテデスコ作品。アメリカに渡って長く映画音楽ばかり書いたからなのか,イタリア人のラテン臭は希薄。良くも悪くもロマン派的な様式のうえに,ひたすら穏健で教条的なギターが乗る。もちろん楽器が楽器ですから,異国情緒がゼロとはいいません。けれど,ギターが主役の協奏曲とは思えないほど,テデスコさんの作風はラテンの香りが希薄です。そのせいか,全体から受ける印象も「まあ,悪くないロマン派コンチェルトですね」どまり。『二台のための協奏曲』緩楽章にちらりと出てくる,ユダヤの悲哀が籠もった節回しなどに時折趣は感じるものの,総じて多作の職業作曲家以上の感慨は受けないですねえ。良い曲は良い曲なんだけど,テデスコならではの個性が感じられないというか。穏和で控えめ,与えられた課題を着実にこなす,課長補佐タイプの生真面目な方だったんじゃないでしょうか。聞いたこともないオケは,イタリアに12ある州立オケのひとつ。その実1970年結団と,意外に長持ちしている由緒正しい楽団。お見それしました・・。技術的には,映画音楽の伴奏オケ程度。せいぜい酷いときのロワール管どまりでしょうか。でもそんなに下手ではなく,録音も含めて充分聴ける水準。ギターのミケリさんは少し粒立ちに粗さを感じる瞬間もあるものの,余裕のある技巧でお上手です。★★★☆
Gustav Holst "The Planets, op.32" (Telarc : CD-80133)
Andre Previn (cond) Royal Philharmonic Orchestra : Women of the Brighton Festival Chorus
プレヴィンの『惑星』は管見の限り二種類の録音があり,最初の録音はロンドン響を振った1973年のEMI盤。その十余年後,ロイヤル・フィルを率いて作った二度目の録音がこれでした。プレヴィンの譜読みは割とオーソドックスな部類に属するものの,いかんせんリズムのアクセント配置が野暮ったいのが惜しい。このため,奥行きと立体感がかなりの程度死んでしまい,モノクロームな惑星になってしまいます。それでも,緩楽章ではテンポが落ちるぶん,モデストな曲解釈が凡庸なリズム処理を相殺して余りを出し,「土星」や「海王星」などはお茶漬けをサラサラ流し込んでいるかの如く爽やかで,どうして悪くないと思います。余談ながら,あっしが生まれて初めて「カッコイイ!」と意識して愛聴したクラシック作品は,小学生の頃耳にしたホルストの『惑星』でした。姉がエアチェックしたおんぼろカセットに入ってたその演奏,私にとってセピア色の原風景なわけですが,誰の演奏だったのか確かめようもないまま,やがてカセットもどこぞで紛失。新譜を買うたび,小学生のはなたれ小僧に近代和声の妙を教えてくれたあの日の演奏を無意識に期待するのが,無意識の習性になっておりました。まさかこんなところで出くわすとは思わず,心の準備もないまま試聴。記憶の中の惑星と肉薄しているのにびっくりした次第。結晶作用を除けば,ほとんどクリソツなんですけど・・まさか,これじゃないよね?1986年録音って,ちょっと時代がずれてるような・・?★★★☆



Other Discs

Gabriel Fauré "Elegie, op.24 / Sonate No.2 / Berceuse-Dolly / Sérénade / Berceuse / Sicilienne / Après un Rêve / Sonate No.1" (Forlane : UCD 16573)
Aleth Lamasse (vc) Daria Hovora (p)
聴き手の期待を,凝った転調とつらつらとした旋律でさらりとかわし,必死に付いてこようとする聴衆へ,余裕たっぷりの流し目を送る。同じくロマンティシズムの語り部でありながら,薄幸な文学青年の情念めいたショパンのそれとはある意味,対極的なフォーレのロマンティシズムが色濃く出るのは,やはり弦一本と室内楽の編成じゃないでしょうか。1989年に出た本盤は,そんなフォーレのチェロ作品を集めたものです。チェロのラマース女史はフランス人。パリ音楽院でポール・トゥルトゥリエのお弟子さんだった人物。1990年にシャルル・ウルモン財団賞をもらってるようです。国際的な受賞歴はあまり無いご様子。実際問題,音色はそれほど奥行きがなく,少しエグ味がありますし,やや強めのビブラートも少し鼻につき,おまけに情感表現も淡泊。通好みの穴盤としてお薦めするほどのものではありませんでした。その後,ラフマニノフとサン=サーンスのチェロ・ソナタなども吹き込んでいるようですが,録音キャリアはその程度。受賞歴や技術の面でB級止まりな自己をカバーできるだけの歌心を培いでもしない限り,群雄割拠のこの業界で生き残っていくのは難しいんでしょう。それでもさすがはパリ音楽院卒。ピッチは正確で,オムニバスとして聴く分にはあからさまな欠点はなし。安く見かけたら一枚くらい持っていてもいいかも知れません。ピアノもそれほど印象に残るものはありませんでしたけれど,彼女はのち1998年にミッシャ・マイスキーの伴奏者になった模様。1999年にはマイスキーと吹き込んだサン=サーンス集でエコー賞を受賞したようです。★★★☆








Recommends


Alan Pasqua "Body & Soul" (Videoarts : VACM-1242)
@you must believe in spring Ahighway 14* BStella by starlight CBarcelona Dgod only knows Eall the things you are Fa whiter shade of pale Gbody and soul Hwitchita lineman Ismile
Alan Pasqua (p) Darek Oleszkiewicz (b) Peter Erskine (ds) Lina Brunkell (vo)*
リーダーはインディアナ大学,ついでニューイングランド音楽院でジョージ・ラッセルやガンサー・シュラーの薫陶を得たほか,ピアノをジャキ・バイヤードに師事。今でこそ美麗極まりないタッチのエヴァンシストで通してますけれど,プロ入り後はいきなりご存じトニーのライフタイムへ加入。そこで知遇を得たアラン・ホールズワースの脇役として,プログレとの境界線で活躍したスタジオ職人でした。そんな彼が,先物好きのジャズオタの間で注目を浴びるきっかけとなったのは,何といっても初リーダー作『ミラグロ』でしょう。映画音楽風ですらある抒情的な美曲を磨かれたタッチで弾き,ジャズメンとしても筋金入りであることを示した同盤で,彼のピアニスト〜作編曲者としての力量を再認識させられた人は多かったんじゃないでしょうか。2004年に出たこのトリオは,彼がエヴァンス派を気取るとき,常にその脇を固める盟友アースキンと組んだトリオ作。スタンダード中心の選曲でスタジオ録音な点に違いはあるものの,『ライブ・アット・ロッコ』や『バッドランズ』の流れを汲む,エレガントでデリカシーに富んだ作品となっています。2曲の自作はいつもの如く甘美で良く書けており,アレンジも丁寧。カリフォルニア大学アーバイン校に勤務するベースのポーランド人は,適度にゴリ感がありライン取りも堅実。やや大人しすぎるカーペンターに比して,きりりとした相貌をトリオに与えており素晴らしいです。それだけに唯一,残念なのは,メランコリックな美曲Aの主題部で挿入される,素人臭漂う女声ハミング。気持ちはわからんでもないが・・これ,要らんかったんじゃないすかパスカさん?★★★★★
Danny Grissett "Encounters" (Criss Cross : Criss 1299 CD)
@hopscotch Awaltz for Billy Ba new beginning Cencounters Dtoy tune Esunrise Fit could happen to you Gnever let me go Hgit!
Danny Grissett (p) Vincente Archer (b) Kendrick Scott (ds)
2006年に出たデビュー作で鮮烈な印象を残したダニー・グリセット。早くも2007年には二枚目にあたる本盤を発表しました。サイドメンは前作と変わらず,自作とスタンダードを折半する案分も大きな変化はなし。彼は基本的に,デビュー盤で敬意を払った御大マルグリュー・ミラーの流れを汲む,メロディックかつ端正なモード・ピアノで,核の部分はほとんど出来上がっている人。これだけ書けば一枚目を聴いた人は安心して本盤も買うでしょうし,これ以上何を言い足しても蛇足な気がしますけれど,強いて書き添えるとすれば,自作と借り物の比率に若干の変化が。今回はスタンダードを二曲にショーターのオリジナルが1曲。あとは全て自作で固め,明らかに自作主体。Aの標題にロス在住時の恩師,故ビリー・ヒギンズの名前が入っているのを除けば,師匠筋への音のオマージュもなし。ニューヨークで揉まれて二年弱,一国一城の自信もついてきたんでしょう。スタンダードのFやGでの,弄り回しを避けたオーソドックスなアレンジには自らのピアニズムへの自信が感じられますし,やや真っ当すぎて楽曲の意匠が鼻につく瞬間も見られたトリオのアドリブも随分とこなれ,バランスも一段と良くなっている。なまじ音作りの基本が変わっていないだけに,進歩のようすが素直に現れていて,安心してお薦めできます。こうも安心印だと,心配なのは次のアルバムくらい。同じようなトリオを二枚作ったとなれば,次あたり管入りやエレピものなんかに舵を切りたくなるかも知れません。全天候型なので,恐らく管が入ってもそつなくこなすでしょうが,個人的に,あと二枚くらいは踏みとどまってトリオの表現を深めて欲しいですねえ。無理かなあ。★★★★☆
Pierre De Bethmann "Complexe" (Les Disques Deluxe : 6121822)
@prélude Acomplexe Bhors modes Calter ego DH Echaos Finterlude Glato sensu H76 Imoderato Jfrasques Kknab
Pierre De Bethmann (rhodes) David El Malek (ts) Michael Felberbaum (g) Vincent Artaud (b) Franck Agulhon (ds)
ソロに転向してから,2008年夏の時点で既にリーダー盤も三枚を数えるピエール・ド・ベトマンさんの,こちらは2005年発表の第二作。三枚中,最も入手がめんどくさそうな弱小レーベルからの発表ですが,ご本人の厚意で購入できました。ソロ名義ではエレピに徹し,1970年代モーダル電化ジャズ・ファンクを今日のヨーロッパ流に咀嚼した,クールな音作りに徹するベトマンのアプローチは,本盤でも一貫。前奏や間奏が挿入され,そこではエレピやエフェクトを重ねて,アンビエントな背景音楽をやってこそいるものの,基本は第一作の延長線上にある音といえましょう。ベトマンといえば,バークリー音楽院でターナーとローゼンウィンケルの薫陶を得てどっぷり洗脳された御仁。そこへ行くと本盤は,3枚のリーダー盤のなかでも,恐らく一番愚直に御大ターナーへの傾倒ぶりが出ている作品なんじゃないかと思います。そのままターナー『イン・ディス・ワールド』に入っていた「メサ」の,キー違いなのが丸分かりな標題曲Aや,『ダルマ・デイズ』所収の「ジャッキーズ・プレイス」を意識したかのようなBはその典型。メカニカルな変拍子と,ハービーを白人流に咀嚼したプログレ紛いの凝った楽曲が,腕利き揃いのアンサンブルによって,一糸乱れず明晰に打ち出されていく高揚感は,全共斗世代をかつて夢中にさせた体臭ムンムンのトレーン型高体温ジャズとは明らかに違った美意識に立脚している。だからこそターナーの音楽性は,彼岸のジャズメンをかくも虜にするのでしょう。★★★★☆
Luca Cacucciolo Trio "Kind of Illusion" (Splasc(h) : CD H984.2)
@lullaby for Sara ABeijgin's dream Bloopy girls Cthree weeks Dfallin' snow dance Enowhere, nobody, never FElizauma Gkind of illusion HJoe's smile
Gianluca Cacucciolo (p) Mattia Magatelli (b) Riccardo Tosi (ds) Francesco Bearzatti (sax)
リーダーは1972年,トリッギアーノ生まれのイタリア人。バーリのピッチーニ音楽院へ進み,フラヴィオ・ペンコニオに就いてクラシック・ピアノを勉強しました。しかし,だんだんジャズが面白くなり,ペンタグランマ校でダヴィデ・サントルソーラにジャズピアノ,和声・編曲・作曲法を学んで転向。その後はステファノ・バッターリャやファブリツィオ・スフェラ,さらには国際ジャズ音楽セミナーでピエラヌンツィ,ダンドレア,フィオラバンティ各御大のセミナーを軒並み受講して研鑽を積みました。2001年に発表した初リーダー作は,ヴォーカルやラップの入った若気の至り色漂う作品でしたが,2005年に発表された本第二作では一転,まさしくイタリア・ロマンティストの流れを汲む甘美なアコースティック・ジャズ。ファウスト・フェレイオロにミルコ・シニョリレ,ルイジ・マルティナーレにマルチェロ・トノロと枚挙に暇のない,ピエラヌンツィ傍系の美意識を踏襲した朴訥なリリシストです。さすがクラシックを学んできた人だけに,作編曲はなかなか達者。オリジナルで固めた楽曲はどれも良く書けていて頬が緩むんですけど,口惜しいことに例によって例の如く,技術面のアラが。ベースは音色がネトっとし,太鼓はややバタバタ。サックスはハードボイルドなんだけど音程がふらついてしまう。ピエラヌンツィ傍系は相当に層が厚くなったはずなのに,どいつもこいつも脇役が粗っぽく,技術が小粒なのはどういうわけなんでしょう。御大へ敬意を払うべく,わざと劣化コピーでもしているんですかねえ。もう少し技術がしっかりしてれば5つ星あげたっていいのになあ・・。★★★★☆
Donnie "The Colored Section" (Motown : 8000324-02)
@welcome to the colored section Abeautiful me Bcloud 9 Cpeople person Dbig black buck Ewildlife Fdo you know? Gturn around Hyou got a friend Iheaven sent Jrocketship Kmasterplan Lour new national anthem Mthe colored section
Donnie (vo) Bobby Watson (b) Al McKay, Hator Pereria, Avery Johnson (g) Louis Van Taylor (sax) Luis Gonzalez (tp) Wayne Linsey, Kaidi Tatham (p, moog, key) Mel Johnson, Steve Harvey, Justin Ellington (inst) Billy Preston (org) Dino Saldo (hmnc) Jeff Clayton (cl) Sekou Bunch (ds, perc, key, arr) et al.
1975年ケンタッキー州レキシントン出身のリーダーは,8才でアトランタへ移住。牧師だった父の影響で黒人音楽に親しんではいたものの,説法怖さに近寄れず,合唱隊に入ったのは14才になってからでした。同郷インディア・アリーの推薦で1997年にジャイアント・ステップス社と契約。2000年に吹き込んだ本盤所収のFが,地元でかなりの反響を得てきっかけを掴み,同年暮れに発表されたのが本盤でした。幼少期からモータウン・ソウルに親しんだ彼の音楽は,紛れもなくスティービー〜マーヴィン・ゲイの嫡流。コーラス・ワークやウニョついたムーグで憧憬を示しつつ,リズム面のアレンジで現代を主張する。一方で彼は,標題が示すとおり,スティーヴィ御大の裏の顔=プロテスト・ソングの創り手の顔を継承することも目論んでいる様子。ハラーやチャールストン,ゴスペルなど,ジャズ前史時代の黒人音楽を巧みにスパイスとして取り込んで,自分の音楽を練り上げようとする姿勢には意志が感じられ,高い好感をもって聴きました。ある意味で生真面目なその創作態度が,今のところは災い半ばする面もあるようで,ゴスペルを意図的に取り込んだ@ADLMが,スティービーやマーヴィン,ドニー・ハザウェイの流れを素直に汲み取った作品中でやや浮き気味なのは惜しいですが,このままの姿勢で進むなら,二三枚先にはすばらしい創り手に化けるかも。ちなみに彼は本盤発表後,情緒不安定になって数年休業するも,2007年に復帰作『デイリー・ニュース』で復帰した模様です。★★★★
John Ellis "Roots, Branches & Leaves" (Fresh Sound : FSNT 124CD)
@John Brown's gun** AEd* Bnowny dreams** Cwho?* Dlight-headed Ethe lonely Jesus** Fconfirmation Gfor all we know
John Ellis (ts) Aaron Goldberg (p, rhodes) Jason Marsalis (ds, cymb, tbr) Roland Guerin (b) Nicholas Payton (tp, flh)* Bolal Oliver (vo)**
以前,アンドリュー・アデルの佳作『ステイツ』で,マーク・ターナー風の澄んだトーンと半音階フレーズを聴かせ印象を残したジョン・エリス。2002年のモンク国際で,シーマス・ブレイクに次いで準優勝。そんな経歴から,リーダー作ではきっとクールな新ブルックリン系のサウンドなんじゃないか・・と,どこかで見たような名前の太鼓にもほとんど目を留めぬまま購入してしまった。冒頭,決して上手いとは言えない女流ヴォーカルに導かれ,土臭いゴスペルもどきが始まったときに全てを悟り,何でここにペイトンがいるのかが腑に落ちて思わず苦笑した次第です。彼はカリフォルニア出身で,北カリフォルニア芸大を卒業した西海岸っ子ですが,ジャズに開眼したのはその後,4年間の音楽留学をしたニューオリンズ大学のとき。つまりはエリス・マルサリスの薫陶を得たジャズ遺産の継承者タイプです。1996年に出場したモンク・コンペでは準決勝13人の一人に勝ち残り,そのご祝儀で初リーダー作『愛の言葉』を発表。本盤はこれに続くリーダー第二作で,2度目のモンク国際のご祝儀録音となりました。一口に言って彼の目論見は,アデル録音がそうであったように,黒人の遺産としての古いジャズ(ルーツ)と,今風の変拍子モーダル・ジャズ(枝葉)を,どちらも殺さず折衷することにあった模様。ただ,彼自身のテナーがそもそも余りソウルフルではないので,黒人テナーのように腰をどっしり据えようとすると,どうしても微妙にトーンがふらついてしまう。また,アプローチそのものは面白いものの,ちょっとアイデア過多なせいか,アルバムとしては貼り絵のようで散漫になってしまったかも。目標の実現には,もう少し場数を経てこなれる必要がありそうです。今後の期待も込めて,取り敢えずは模様眺めの4つ星を・・。★★★★
Tigran Hamasyan Trio "New Era" (Nocturne : NTCD4502)
@homesick Anew era Bleaving Paris CAparani par Dwell, you needn't Ememories from Hankavan and now Fgypsyology Gzada es Hsolar Iforgotten world
Tigran Hamasyan (p, key) François Moutin (b) Louis Moutin (ds) Vardan Grigoryan (duduk, Shvi)
これが二枚目となるリーダーは1987年ギュムリ生まれのアルメニア人。現在は南カリフォルニア大学へ留学し,ロサンゼルスを拠点に活動している模様です。1998年に開催された第一回イェレヴァン国際ジャズ祭で本格的なプロデビューを果たし,翌々年にここで知遇を得たステファヌ・コショヤンの招聘で渡仏。2002年に出場したソラール国際ジャズ・コンペで第三位となり,2003年にはジャズ・ア・ジュアン・コンクールで優勝。モントルー・ジャズ・ピアノ・コンペでも優勝し,2005年にはモスクワ国際とモナコ・ジャズ・ソリスト国際でも連続して優勝。2006年にはとうとうモンク・コンペでも優勝しました。メジャー・デビュー後の第二作にあたる本盤は,2007年の発表。テレラマ誌で最高賞をもらったようです。リズム隊に例の二名が入ってるということで買った次第ですが,なるほどコンクール荒らしだけに腕は相当に上手い。随所に臭み漂うエレピやキーボードを処方し,フェイクたっぷりのモード・ピアノで耳を裏切りつつザクザクッと弾く。モンク・コンペで審査員をしていたハービーが美意識の核となっているのは明らか。その意味では変拍子を多投する割りに,音楽そのものは結構オーソドックスです。本人もその辺り気にして,アルメニアの民族楽器やキーボードを効果音的に塗り足して,文化的ルーツへ目配りしているんでしょう。なにぶん若いので,今のところそれらの手管が充分に溶け合ってはおらず,やや空々しさと消化不良感は拭えないものの,器の大きさはさすが。一部電化していても抵抗のない方なら,興じ入って聴けるんじゃないでしょうか。★★★★
David Binney "Cities and Desire" (Criss Cross : Criss 1285 CD)
@Lisbon ALondon Bintro to Toronto CToronto DLos Angeles Eintro to Carpinteria FCarpinteria Gintro to Rome HRome IMontreal Jintro to Miami KMiami LNew York
David Binney (as) Mark Turner (ts) Craig Taborn (p) Thomas Morgan (b) Dan Weiss (ds)
マイアミ出身のアルトは,1981年にニューヨークへ進出。フィル・ウッズやデイヴ・リーブマンのもとで研鑽を積み,1989年にNEA助成金を獲得。それを元手にオウルから初リーダー作『ポイント・ゲームズ』を発表したのは1991年ですから,実は結構中堅どころだったりします。ピアノのエド・サイモンとは仲が良く,このデビュー録音でもピアノは彼でした。いらい,現在までに15枚に及ぶリーダー盤を吹き込み。本盤は2006年に出た13枚目のリーダー作で,クリスクロスからは二枚目。ターナーが入ってるということで,変拍子満載の近未来ジャズかと思いきや,全く自分のペースを崩してはいません。彼の作品は以前,エド・サイモンとの二重奏を聴きましたけれど,リズム隊が入ろうとあのトーン・ポエム然とした音作りはそのまんま。4拍乗りはもちろんのこと,拍動のモタリも徹底して排除。都市を周遊する趣向で思い出すメルドー君の『プレイセズ』に一脈通じる褪めたピアノのコードと,淡々と刻まれるリズムの上で,ゲイリー・バーツを彷彿させる腫れぼったい音色のアルトが,熱に浮かされたように咆哮します。彼がリーダーですから当然といえば当然ながら,彼以外の面々は完全な添え物。彼のアルトを引き立てるための道具として機能。緻密にコントロールされ,彼を核にしたニヒルな音画の描出にのみ専心するさまを,窮屈と聴くか,統御されたと聴くかで,聴き手の評価はかなり変わるんじゃないでしょうか。出来そのものは良いものの,個人的にはちょっと窮屈ですか。根がだらしないあっしとしては,ここまで遊びが少ないと愛聴したくはなりませんですねえ。★★★★
Matt Ray "We Got It!" (CAP : 957)
@we got it! Afish night* Bel gaucho Cthink of one Dthe great paper chase* Ethe star-crossed lovers Fhappier than the morning sun Gsippin' at Bell's Hnot long now Inot long now* Jvista
Matt Ray (p) Rodney Whitaker (b) Gregory Hutchinson (ds) Jeremy Pelt (tp)* John Ellis (ts)*
ワシントンDCに生まれ,三歳からニューヨークに暮らすマット・レイは,イーストマン・スクールを受講し,オバーリン・カレッジを卒業。その後,1999年にモンク・コンペで準決勝まで進出したお陰で28歳にして拾われ,本盤でデビューを果たした苦労人です。彼のピアノは,単音主体の軽量級。コロコロとした小粒のタッチで趣味良く歌うのが身上です。白人にもかかわらずそのスタイルは黒っぽく,今どき珍しいほどファンキーでグルーヴィ。ちょうど,少し前に『ステイツ』で印象を残したアンドリュー・アデルや,バップ臭の強いときのピート・マリンベルニと良く似ている。トミフラとオスピー,アーマッド・ジャマールを三で割ったような小粋さとエレガンスをたたえつつ,コロコロとした単音と控えめなゴスペル〜ファンキー節で自分の世界を作ります。多くを占める自作の作編曲センスも含め,今どきのニューヨーク最先端とは全く縁のない,土臭く朴訥とした音。もしこれがレザボアのニューヨーク・ピアノ・シリーズに混ざっていても,違和感は殆ど感じないでしょう。ご祝儀込みで集まったサイドメンが,見ての通り超豪華。これで詰まらない音なんて出てくるはずもありません。特にリズム隊の二人は相変わらず屈強ですねえ。かつて大西順子の周りでブイブイ言わせてましたけれど,野太いグルーヴ感は相変わらず。どすんどすんと怪気炎を上げながら,訥々とマイペースな主人公の尻を蹴り上げるDは,ひたすらに爽快です。★★★★
Peter Weniger Quartet "Weirdoes" (Mons : MR 874-826)
@out of the darkness Ain walked Bud Bthreesome Chype Dthe brightest day Eweirdo FEric Gopen three Hpeoples case Ising with a voice that cries
Peter Weniger (ts, ss) Hubert Nuss (p, key) Christian Ramond (b) John Schröder (ds)
ピーター・マドセンを迎えて吹き込んだカルテット盤が記憶に残るリーダーは,1964年ハンブルク出身のドイツ人。元はクラリネット奏者として出発。同地の芸術大を経てコローニュ音楽院へ進み,1992年の修了時にはクム・ラウデ賞を受賞しました。院在学中の1987年には,独連邦ジャズ・オーケストラへ入団。翌1988年にトンガー音楽競技会で優勝し,翌年にはチェコで開催されたカロヴィ=ヴァリ音楽祭で最優秀サックス演奏家賞も受賞しました。日本ではほとんど無名な気のする彼も,本国では評判が高く,ドイツSWF放送曲ジャズ賞を,1996年には自作『ティップ・タップ』で西ドイツ批評家賞を受賞している。本盤は1998年に,彼が再度ジャズ批評家賞を受賞した際の録音で,一種の受賞記念盤。直前に鮮烈なデビューを果たしたヒューベルト・ヌッス以下,各部門で選ばれた腕利き三人が脇を固めているだけに,アンサンブルはさすが強固です。ただなあ,寄せ集めバンドの宿命か,各人の技量がしっかりしているわりには,合奏としてしっくり噛み合った音が出てこない。期待のヌッスも,いつものメシアン和音は控えめで,ごくオーソドックスなモード・ピアノに終始。些か物足りない仕上がりになった感は否めません。楽曲も石多めの玉石混淆。半世紀前のブローイング・セッションに通じる,やや顔見せ興行的な雑さのちらつく仕上がりになっているのは,ちょっと期待はずれでしたねえ。余談ながら彼は最近,教育活動に軸足を移しつつあるようで,1999年にはベルリン芸術院サックス科教授,2005年にはベルリン・ジャズ研究院で,各々教鞭を執っているようです。★★★★
Jan Johansson Trio "Live in Tallinn" (Heptagon : HECD-007)
@new Rumba Avisa från utanmyra+gånglek från älvdalen Bblues for lange Csommar adjö Demigrantvisa Elaverne walk Fsvallvågor Gsamba triste
Jan Johansson (p) Georg Riedel (b) Rune Gustafsson (g)
1931年セデルハムに生まれ,1968年にイェンケピンで自動車事故のため世を去ったヤン・ヨハンソン。たかだか37年の人生ながら彼の地では生前大変な人気で,代表作『スウェーデンのジャズ』は,総売上何と25万枚以上。いまだこの記録は破られていないんだそうな。大学在学中に出会ったスタン・ゲッツに心酔し,彼のグループへ加入して吹き込んだ『アット・ラージ』でくらいしか一般には認知されていず,リーダー作のほとんどは,滅多に聴けるもんじゃありませんでした。この状況を変えたのが,彼の残した二人の息子さん。レーベルまで作って,親父の遺産を大挙復刻。おかげで,映画音楽から民族音楽までこなした彼の多芸ぶりを,かなり俯瞰できるようになりました。本盤は1966年にエストニアのタリンで録音されたライブ演奏。放送録音だったらしく,聴衆はかなり多いようです。理知的で端正なタッチが美しい『8ビタール/インナートリオ』に比べると,やや力みがあり音数も多めになってしまう本盤の演奏は些か隙間不足の感も拭えませんし,ギター・トリオのフォーマットが,どちらかというと彼の魅力である縦の振幅をやや殺してしまっているのは残念ですけど,スロー・テンポで民俗音楽風の土臭い旋律を淡々と弾くAはまさしく独壇場。エヴァンスが米国人ゆえにできなかった民俗回帰が,欧州人の彼には立派にできていた。昨今の欧州ジャズに見られる,クラシックを武器にしたルーツ回帰とはまた違う角度から,欧州ジャズの可能性を示唆する素敵なピアニストだったことを改めて認識させられますですねえ。★★★★



Other Discs

Salvatore Tranchini Quintet "Faces" (Red : 123301-2)
@Eurostar Ajust a moment Bsad day Ctriton Dbaires Erunning Fque te pasa Gnettuno HI remember Clifford
Fabrizio Bosso (tp) Francesco Nastro (p) Daniele Scannapieco (sax) Aldo Vigorito (b) Salvatore Tranchini (ds)
リーダーのサルヴァトーレ・トランキーニは,ナポリ出身。10才で太鼓を始めた彼は,シエナやアンブリアのジャズ祭セミナーを受講して研鑽を積み,25才でニューイングランド音楽院へ留学。アラン・ドウソン,ボブ・モーゼスに師事。また,滞米中にはジェリー・バーガンジのグループへも加入。『ジェリー・オン・レッド』,『インサイド・アウト』,『ティルト』の三枚の録音に参加しました。帰国後,1996年には『ラジオ組曲』で,バーガンジやアンブロゼッティを迎えてリーダー・デビュー。本盤は2003年に出たもので,昨今仲良く双頭コンボを組んでるスカナピエコ繋がりで集まった豪華メンバーによるクインテット作。お師匠譲りのシャンシャンしたドラミングが心地良いリーダー以下好演で,ハードバップバカ一代の両フロントが揃って出てくる音がそれ以外にはなりようもなく,その意味では予想通りの演奏が聴けます。ただ・・何といいますか,顔触れの割には仕上がりが冴えない。最大の原因は,例によってピアノのフランチェスコ・ナストロでしょう。一時,輸入盤好きの間で話題になったこともあったんですけど,リズム感は悪いですし,左手の和声も一本調子。本盤でもアップテンポの@やCでは,覆いようもなく力量不足を露呈します。正直言って,ハードバップには不向き。何でこの人がハード・バップ・セッションで重宝されるのか,正直言って良く分かりません。本盤を誉めてるサイトでは,軒並みフロント二名のカラーで演奏されたバピッシュなアップ・チューンが注目されているようですが,むしろましなのはフロントが蛇足気味になるスロー・テンポのバラッド。フロントが目立つ急速調と,後ろ三人がしっくり来るスローの調和がしっくり取れなかったところに,顔触れほどの音が出せなかった理由があるんじゃないでしょうか。★★★☆
Marco Di Marco Trio "Un Autunno a Parigi" (Arision : ARI019CD)
@Fontainebleau Aun autunno a parigi Ble chat qui pêche Cvalse pour quatre amis Dlungo la senna Eboul 'mich'
Marco Di Marco (p) Jacky Samson (b) Charles Saudrais (ds)
1940年ボローニャ出身のリーダーは,エンリチェッタ・サンシルヴェストリに就いてクラシック・ピアノを始め,ボローニャ音楽院へ進学。ジョルダーノ・ノフェリーニに作曲法と和声法を師事しました。卒業後は時折,ビル・エヴァンスやキース・ジャレット,ゴードン・ベックら有名人に私的な指導を受けながら,地味にクラブ巡り。やがて故国やフランスの放送局付の職業演奏家となって身を立て,30才の1970年,ようやくフランスでこの初リーダー作の録音機会を得るに至りました。本盤発表後,彼はカウント・ベイシー楽団やクラーク・テリーとの共演で知られるクリス・ウッズが渡仏中に懇意となり,それをきっかけに1981年渡米。それ以降は米国でも録音しながら,地道にキャリアを積むことになります。そのクリス・ウッズが渡仏中,仲良くセッションしていたのは,かのジョルジュ・アルヴァニタ。本盤のサイドメン二人がアルヴァニタのトリオ構成員なのも,偶然ではないでしょう。一聴耳当たりは,同郷の俊才ギド・マヌサルディをぐっと朴訥かつ技量不足にしたような感じですか。モード通過後のアルヴァニタや,初期のミシェル・グレイエをずっと朴訥にした・・とも形容できそうな辿々しい運指技巧。危なっかしいリズム感。モードの門は確かに潜ってはいるものの,圧倒的なテク不足から,上記の有名人のような軽快で多弁なアルペジオは望むべくもありません。それでも,限られた腕で何とかドラマチックに仕立てようと,彼なりに工夫。全曲自作の楽曲群は,1970年代イタリア〜フランスものらしいリリカルな哀愁があり,さすがクラシック上がり。スローなAや独奏のDなどでは,彼の頭と両腕が窮屈な拍動から解放され,本来のトーン・ポエマー的な美点が良く出て,それなりに聴けるものにはなっていると思います。★★★☆
Lina Nyberg "So Many Stars" (Prophone : PCD030)
@suddenly Aso many stars Bthe end CI'll be seeing you Dnothing new Emy castle Ffor all we know Gonce I was like you Hon the street where you live Igoing to Chicago Jlost but still Kordinary day Lalone
Lina Nyberg (vo) Anders Persson (p) Christian Spering (b) Anders Kjellberg, Magnus Öström (ds) Magnus Broo, Mårten Lundgren (tp) Dicken Hendrenius (tb) Catharina Fridén (fl) Amanda Sedgwick (as, cl) Fredrik Ljungkvist (ts, ss) Charlie Malmberg (bs) Cecilia Zilliacus, Anna Rodell (vln) Karin Ebbersten (vla) Johanna Sjunnesson (vc)
リナ・ニーベリは1970年ストックホルム出身の中堅。14才で歌手を志し,4年後にはプロ入り。1990年には自己の五重奏団を持つに至りました。当時メンバーには,先ごろ世を去ったスヴェンソンや,ベルクルンドが在籍していたようです。1993年には,スヴェンソンの歌伴で処女作を発表。翌々年,五重奏団を率いた第二作『笑顔が輝くとき』ではスウェーデン・グラミー賞を受賞するなど,本国では早くから人気があったようです。本盤はこれに続く第三作で,1996年発表。スヴェンソンに代わってアンダーシュ・ペーションを迎え,弦楽四重奏やビッグ・バンドにも挑んだ意欲作でした。1991年から1993年までストックホルム音楽院で学んだこともある彼女は,作編曲にも自信があるようで,本盤でも8曲を自作。ポップスとして聴いても違和感のないメロディアスな佳曲揃いで,むしろこっちでご飯食べたほうがいいんじゃないかと思うほどセンス宜しいです。彼女はこの後もマティアス・ランデウスやヤコブ・カールゾンを指名するなど,伴奏者の目利きは確か。最高傑作『アット・ラージ』吹き込み年で,ある意味ピークのペーションは,期待以上に達者な歌伴で溜飲が下がる。どこかスティーリー風の管アンサンブルも効果的と,いいところばかりの本盤。惜しいのは主人公の青臭い歌唱。技術的には上手く,グラミーの評価も得てるわけで,あっし如きに何言われたって微動だにせんでしょうが,なまじ技術はあり,芝居っ気たっぷりなだけに,白人特有の青さや声量の不足,線の細さが目立ち,空々しいというか青臭い(嘘臭い?)というか。ジャニーズの小芝居を見てるようないたたまれなさに耐えきれず,どうにも繰り返し傾聴する気にはなれませんでした。きっとあっしがジャズ歌唱のいい聴き手じゃないんでしょう。お好きな方,気を悪くせんでください・・。★★★☆
Ian Hendrickson-Smith "Blues in the Basement" (Cellar Live : CL 102046)
@big weeds Ahello stranger BJacob's new crib Chey, baby Dchatterbox Eblues in the basement
Ian Hendrickson-Smith (ts) Dave Guy (tp) Rick Germanson (p) Neal Miner (b) Brian Floody (ds)
キャノンボールの再来を思わせる爽快な吹け上がりで鮮烈な印象を残したヘンドリクソン=スミス君。自身は白人ながら,1974年ニューオリンズ出身は伊達ではなく,ハードバップ黄金期を真っ直ぐ見つめてブロウする姿勢で忽ち人気者に。マイナーレーベル務めを経た2004年のメジャー・デビュー作『アップ・イン・ザ・スモーク』では,御大ヘイゼルタイン・トリオを向こうに回して丁々発止のブローイング・セッションを展開しました。他に何か出てないかと探したところ,2006年にニューヨークのクラブ『でぶ猫(Fat Cat)』で録音されたライブが出てきました。コンガやタンバリンを加え,ブレイキー『モーニン』やモーガン『サイドワインダー』さながらのジャズ・ロックをやってます。もともとジャズ・ロックが好きになれないあっしは,これだけでもうドン引き一歩手前。さらに悪いことには,いなせで粋だったスミス君,何を思ったかテナーに持ち替えてしまった。ハンク・モブレーとベニー・ゴルソンを足して二で割ったような,ボソついたその音色。アルトを差し置いてまで披露するほどヴェルタース・オリジナルなものとは到底思えません。さらに輪を掛けて出ずっぱりのデイヴ・ガイの,ファットで派手に音割れした(笑)ラッパが許せない。出来損ないのジャック・シェルドンです。音外すくらいならハイトーンを気取るんじゃないよ!となぜかおネエ言葉が衝いて出るのを禁じ得ませんでした。懐古趣味100%のジャズ・ロックと聴いて触手が伸びる方以外はまず『スティル・スモーキン』辺りを先に。曲,演奏から人選にいたるまで,全てにおいて本盤より上です。★★★☆






脱稿:2008年8月6日 9:09:35

編集後記

原爆投下から63年,謹んで
犠牲になられた方々の魂安らかならんことを祈ります。



御無沙汰なんてもんじゃございません。
不精を詫びるばかりですAgain



職場のスピーカーに似合いの足を買ってきました。
アンプより重い。無理して担いできたら
翌日,筋を傷めました(-_-;)







「コラ画像だろ?」



スカイタワー41
・・実在するそうです。まじかよ。

一階の店舗物件で1200万って,安すぎ(爆)
この立地条件で,どうして売れると踏んだのか
建てた土建屋さん,ぜひ教えてくれ。
でも,そんな土建屋が好きだ。

ちなみに中は吹き抜け。41階まるまる吹き抜け。
空洞になったビル内部の画像を見たとき,
思わず脳裏を過ぎったのは本家のコレ
世界一ガラの悪い街,ヨハネスブルクのポンテ・シティです。







いや,ここまで徹底してるとは凄いです。
松岡修造さん。

どうやらシリーズ化なさってる模様。
頼まれもしないのに熱い応援メッセージを発信。
わざわざTPO別に。自主制作で。
しかもいちいちこの絵面。シュールすぎるだろ。


プロですねえ,この人は。




大気汚染にイナゴに藻,
聖火リレー騒動にウイグルのテロ

被害者や関係者にはすまないが
今回ほど喜劇的なオリンピックは初めてだ。
毎日フレッシュなネタをありがとう。明日は何だ?

「天洋食品」回収ギョーザ、中国で中毒…現地混入が濃厚に
8月6日3時5分配信 読売新聞
中国製冷凍ギョーザ(餃子)中毒事件で、製造元の中国河北省石家荘の「天洋食品」が事件後に中国国内で回収したギョーザが流通し、このギョーザを食べた中国人が有機リン系殺虫剤メタミドホスによる中毒症状を起こして、重大な健康被害が出ていたことがわかった。

 関係筋が5日明らかにした。これまで日中双方の警察当局がそれぞれ自国内でのメタミドホスの混入を否定してきたが、中国国内で同様の事件が発生したことにより、中国での混入の可能性が強まった。

4ヶ月前
河北省出入境検査検疫局とギョーザの製造元の「天洋食品」などは15日、記者会見し、底夢路工場長は「われわれこそ事件の最大の被害者だ」と述べ、工場内での毒物汚染は「不可能」と言い切った(産経新聞)。
となると,さしあたり一番危ないのはこれ
中国政府、選手の食品持ち込み禁止
オリンピックで国内食品産業保護か
1936年にナチス・ドイツが、古代と現代をつなぐと称して始めた「アテネ・ベルリン間聖火リレー」が定着慣例化している。しかし、2008年北京オリンピックの世界一周聖火リレーは行く先々で中国の人権問題抗議の標的にされ、北京の大気汚染が選手を脅かし、さらに中国食品の安全性にも世界的に不信感が高まっている折り、食品持参を考えている選手団など、今回ほど世界から「祝福されていないオリンピック」も珍しい。
 そこに来て、4月30日付ニューズ・リミテッド系紙は、中国政府が、2008年北京オリンピック参加選手団が自国の食品を中国に持ち込むことを禁止したと報道している。同紙は、中国がオリンピック期間中の地元食品産業の営業を助けるために食品輸入禁止措置を出したとしている。通常スポーツ選手は身体や食習慣に合わせた厳格な食事内容を守っており、過去のオリンピックではどこの国の選手も食事内容に応じた食品の持ち込みが許されてきた。しかし、北京オリンピック実行委員会の貨物マニュアルに食品持ち込み禁止の条項が追加されていることが明らかになった。
 オーストラリアはすでにシリアル、ミューズリーなどの入ったコンテナーをすでに中国に向けて発送しており、今後2、3か月のうちにベジマイトなどを詰めた荷物も発送する予定だった。豪オリンピック・チーム専属栄養学者ルイーズ・バーク教授は、「豪選手団が持参する食品のほとんどは中国国内では手に入らない。オーストラリア独自の食品は選手の気分を和らげるために必要だ。オーストラリア食品のコンテナーが通関禁止になるなどという困った事態をまったく考えていなかった」と語っている。
25Today.com
オグシオさん,北島さん・・
どうぞご無事でお帰り下さい。
何かあったら労災でも申請しましょう。




仕事場に炊飯器を置き,日々晩飯を炊いているあっし。
いかに安く,美味い晩飯を食うかが目下,最大の関心事。
引っ越しですぐ隣になったヨーカドーに日参しては
半額シールを貼られた総菜売り場をうろついております。
安いおかずを物色していて出逢ったのが,このカレー。

天下のヨーカドーが満を持して世に問うた自社ブランド,
セブンプレミアムのカレー,お値段は末広がりの88円。
どんな味がするかと興味津々食べてみました。
が・・・これは!




セブンイレブンくん・・
確かに安いのは認める。認める,けどね・・

「チョコとぜんざいの合わせ汁に,胡椒を目一杯振り入れた味」。
これ以外,何の形容もおもいつかん。
おそらく今までの人生で口にした,最もビミョーな味のカレー。

この味付けで,どうやったら
企画会議を通すことができたのか。ぜひ教えてくれ。

また,我とおもわん者は,
ぜひ毒味の二の矢を射て欲しい。
感想を掲示板にて待っている。よろしく。






グーグル地図に,
指定した場所の映像を見る機能がついた


ここまで来ましたか・・
素直に凄いと思います。
今のところ東京と大阪だけみたいですが・・
この様子なら,早晩主要都市は全部やるでしょう。
グーグルアース以来の衝撃。

・・と思ったら
さらに上をいく連中を発見。
この手のデータを,どうやって作ったかは・・
このまし〜んだそうな。根性ですね・・。
ちなみに,こっちのほうでは,実家の庭まで
ばっちり映ってました,すげえ。
それではまた次号,
しぃゆうあげぃん。

ぷ〜れん敬白 

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